「ん………。え。ワンちゃん?」 目を覚ました美雨が目を丸くする。 体が冷え切っていたが、犬飼が風呂に入れるわけにもいかず、添い寝してやることにしたのだ。 驚いた顔をしたくせに、すぐに安心した顔に変わるとまた目を閉じた。 犬飼のぬくもりを求めてすり寄ってくる美雨が愛おしく、あの苛立ちはなんだったのかと疑問に思うばかりだった。