「そっかぁ…。
すごいね、清香ちゃん!おめでとう。」

「は?なに他人事みたいに言ってんの!
私達みんなでステージに立つんだから、里奈も頑張らなきゃダメでしょ〜?」

「!……あ、そっか。
うぅ…っ、緊張するけど…頑張る!」

私が硬くなりながら頷くと、清香ちゃん達は大声で笑って…。すぐに夏祭りのステージの事で盛り上がっていた。
私もその打ち合わせに、積極的に意見を出して参加する。

……。

あの小旅行以来、将ちゃんとは会ってない。

あの事件の後。
涼さん達と民宿に戻ったら、すでに将ちゃんは荷物をまとめて一人で帰ってしまっていて…。
もう、顔を見る事も出来なかった。

あの夜は、信じられないくらいに泣いて泣いて…。
次の日からは、笑った。
帰りの電車では、涼さん達も将ちゃんの話題は口にせず…。トランプやゲームをして、楽しませてくれた。