きっと、将ちゃんは嫌々だった。
撮った後の落書きも一緒にやってくれなかったし、プリクラの写真も半分に切ったやつ…貰ってくれなかった。
LINEのページにせめて画像を送ったけど、その事に関しては何も返信くれないし…。
きっと、いらなかったんだよね。

そんな事を思っていた私に、未来さんが口を開く。


「写真嫌いな将馬君が一緒に撮ってくれるなんて、やっぱり彼女ちゃんは違うね〜。」

「!……え?」

「私は将馬君と大学から一緒だから、そこまで詳しくないけどさ。智樹いわく、写真も写メも絶対に誰とも撮らないんだって。」

スマホを握り締めて驚く私に、未来さんは優しく微笑んで頭を撫でてくれた。


「高校の時、バスケ部のファンの子が内緒で隠し撮りしただけで相当キレたらしいよ?
…だから、将馬君が一緒にプリクラを撮った里奈ちゃんは特別って事!」

まるで未来さんは私の心を詠んでるみたいに、励ましてくれる。
”自信持ちな”って言われてるみたいで、少しだけ気持ちが晴れてきた。