【翌日/自宅】

「う〜…。緊張して吐きそう…。」

洗面所の鏡を見つめながら、私は自分の顔をペチペチと軽く叩く。

昨夜はあんまり眠れなかった。
将ちゃんとショッピングして服を買うって事になったけど、それでも最初は持っている服で出掛けてはいけないという現実に、電話を切ってから気付いた馬鹿な私。


「……子供っぽく、ないかなぁ?」

白いフワッとしたチュニックに、デニムのショートパンツを合わせてみた。
決してお洒落な服装とは言えないけど、まあ無難で悪くは…ないよね。

せめて髪型だけは頑張ろうと朝から色々試して、最近の中では1番ってくらいに上手く纏める事が出来た。


「…将ちゃん、少しは可愛いって思ってくれるかなぁ///。」

ドキドキするけど、それ以上に楽しみだった。
二人きりで出掛けるなんて何年振りだろう?
そんな事を考えて表情を綻ばせていると、ピンポーン!と家のチャイムが鳴った。