ちょっと膨れてる直也を見ているとすごく可愛いと思ってしまう…

「また他のところいこうね!」

話を変えて直也には笑顔になってもらいたいと思った。

「そうだな。今度はカフェとかゆっくり出来るとこいこう。」

そんな話してるともう半周していた。

「また捕まらないといいけど…」

「直也!考えないで!」

見てるだけでも正直面白い。


ガコンッ!


突然大きな音がなってゴンドラが揺れる。

「な、何?!」

すると遊園地の電気が少しずつ消え始めて行く。

観覧車以外にもメリーゴーランドやジェットコースターも止まっている。

半周も乗っていたからかもう日はなくなってて一瞬で辺りは暗くなった。

「停電みたい…菜穂。怪我してない?」

「怪我はしてないけど…降りれないじゃん。」

「テレビからは逃げられたけどね。」

何故か直也は機嫌がなおってた。

「いまは結構大変な状態ですけど…?」

「大丈夫。助けが来るまで待とう?」

優しく直也は話しかけてくれる。

それが凄く安心した。

だけどもう日も沈んで停電状態だから辺りは真っ暗で少し怖い程だった。

すると直也は察したように「怖くなった?」と笑って聞いてきた。

「怖くないから!」

つい反抗しちゃったけど…正直怖い。

周りを見ても街灯すらついていないから本当に暗いんだよ…

「菜穂。怖いの隠せてないよ。こっち来なよ。」

優しく言ってくれて…本当に嬉しかった。

「うぅ…」

「暗いの苦手なら言えば良かったのに。」

そういって隣にすわった私の肩を抱き寄せて直也の肩に寄りかかる形になる。

めちゃくちゃ恥ずかしい…!

隣を見ると直也が微笑んでいてドキッとした。

直也には敵わない…

突然直也がこっちを向いて「今日楽しかった?」と聞いてきた。

私は「うん。」と答えるしか出来なかった。