整備場の近くの鏡の前で練習していたからか
竜士と大将も心配してきてくれた。



『ハァ…ハァ…ハァ…』



苦しい…



「とりあえず少し休憩しろ。」



大将はあたしを抱き上げると
休憩室に運んでくれた。



その瞬間大将の首元から流れてきた
春の香の激しい吐き気を感じた。



慌てて大将から離れて
ゴミ箱に吐いてしまった。



「稚菜?」



まりはそんなあたしを見て
泣きそうになっていた。
他のメンバーも驚いていた。



「病院行くか?」



『ごめん…香りが…』



あたしの背中をさする竜士が
あたしの言葉に大将を見た。