「本当によかったのか?」



あたしの前に立ち大将は
苦しそうに聞いてきた。

その時さっき春が大将に付けた
キスマークに胸が傷んだ。



『みんなに最高のライブを届けよう!』




どんなに胸が痛くても悲しくても
限界の風が吹いてもあたしは
前に進むしかないんだ。





それから日数がないのもあり
みんな特別にお仕事をお休みすることにした。
縁ちゃんのお父さんである社長も
スカイロードのみんなもお客さんまでもが
協力してくれた。






「そこ!ずれてる!」




大将は整備の仕事を休むことは
できないと言い残業なしで
夕方からボクシングの練習とあたしの殺陣の
練習をすることにした。





ただ最近大将の体にこべり付いた
春の香とキスマーク。




-バタン!




『いたっ!』




「大丈夫!?」



転んでしまったあたしに
まりが慌てて駆け寄ってきた。