猟犬に愛された姫~ドリームライブ~

-ガラッ


するとジムの扉が開き
振り向くとみんなが言葉を失った。




「………春。」



先に口を開いたのは大将だった。



「おもしろい話ね。
大将が大会に出るって聞いて
あたしもライブすることにしたの。」



やっぱり。
そんなことだろうと思った。




「最近夜の営みもなくて寂しかったのよ?」



春は大将の胸板にキスをしながら
見せつけるようにそう言うと
あたしをチラッと見た。



「殺陣の時…本当に稚菜にケガさせなさい。」



春の言葉に大将はもちろん
その場にいたみんなが固まった。
狂ってる…春は大将を好きなあまり狂ってる。




「それでも大将を相手役にできる?
もしかしたら練習中にケガをさせられて
ライブどころかこれからの活動にも響くかもしれない。
下手したらライブ中に中断なんてみんなに
迷惑かけるかもしれない。」



『あたしは……』



みんなの方を見るとみんなは
力強くうなづいた。
大将もまっすぐあたしを見ていた。




それはあたしを信じてくれてる眼差し。