「待って……優香!」



縁ちゃんは大声で
優香さんを呼び止めた。


普段はおっとりした縁ちゃんが
大声で叫ぶなんてはじめて見た。



「なによ?」



「あたし優香に感謝してる!
大好きな優香と大好きなピアノ弾けたから。
でも優香も自分の曲作ってみて?
きっともっと楽しくなるから。」




「縁…」




縁ちゃんにそう言われて
優香さんはゆっくり縁ちゃんに歩み寄ってきた。




「あんたにあんたの曲返す。
だから今度は新しい仲間と新しいスタートしなよ?
ごめん…ありがとう…。」




優香さんはそう言うと帰って行った。
走り去る車を縁ちゃんは
見えなくなるまで見つめていた。




『縁ちゃん。』



「稚菜!真未!ことり!」




あたしがゆかりちゃんの名前を
呼ぶとクルッと振り返り
あたし達の名前を呼んだ。





そしてあたし達に頭を下げてきた。




「あたしをパステルパレットに入れてください!」




その言葉にあたし達は優しく微笑んだ。




『もちろんだよ!』



「縁ちゃんはグリーンね!」



「よろしくね!」




こうしてあたし達は
また1歩前に進みだしたんだ。