私だけ、時間が、止まっているようだった。 本来ならば、親族だけが来られる場所に、 「日和ちゃんにも、見送られたいと思うから...」 と、彼のお母さんは言ってくれた。 でも、 (見送る必要なんて、ない。) だって、 (彼は、眠っているだけだもの。) 頭にある傷は、転んだだけ。 それ以外、何も変わったところなんてない。 そう、彼は眠っているだけなんだ。