そのあと、起こされるまで本当に兄貴の膝で寝てしまった俺達。




「足痺れたじゃねぇか」




なんてケラケラ笑う兄貴。

でもその顔は何故かどことなく嬉しそうだった。




やっぱ兄貴はすごいなぁ。



…あ、しまった。

ご馳走食べ損ねた。



なんて思っていたら




「にぃ達のご飯、ちゃんと取ってあるよっ」




って、慶が言う。




「気持ちよさそうに寝てたもんね」




ニコニコと笑う慶に聞いてみた。



「……俺達が兄貴に甘えてて、変だとか、気持ち悪いとか思わなかったの?」




弟達からしたら、あんな大きくなっても甘えてるなんて変、とか思うものじゃないの?




でも返ってきた返事は、思っていたものとは違くて。




「どうして?変だなんてそんなこと、少しも思ってないよ。なんで変だと思うの」




なんて、逆に軽くキレられた。


え、なんで俺怒られてんの?




「にぃ達はもっと甘えていいと思う!翔にぃにだけじゃなくて、俺達にも甘えてよー!」




プンプンと怒る慶は、そう言って前を歩く兄貴の元へ駆けて行った。