「「ただいまー」」



男だらけな上に、有名人が揃ったうちの家族は目立つのであろう。


周りの目から逃れるように、少し人混みから離れた小さな丘の上で兄弟達はブルーシートを敷いてお花見をしていた。




「あ、おかえ、りー…!?」



「恋にぃ、蒼にぃおかえ……ぇえええええ!!?」



俺達が来たことに気づくなり、兄弟達は目を見開いて驚く。






なんでそんな驚いてんの?




「「なにその沢山いる女の人達!!」」




あ、そこか。





「おー、お前らお帰り…って、なんだこりゃ!?」




どこかに飲み物を買いに行って来たのであろう兄貴が、キャー!キャー!と騒ぐ女達を見てポカンとする。




「って、何してんだよお前ら。何連れて来てんだよ!?」


「だって、勝手について来るから」


「ついてくんなって言やいいだろ!」


「だって冷たく言うと兄貴怒るじゃん」




だから我慢して連れて来たのに。



ねぇ?




「お前らただ面倒なだけだろ」


「「あ、バレた」」


「バレたじゃねぇよっ、丁重にお引き取りをお願いしてこい!!」



ゴツンッ!!



「「あたっ」」





ひどいなー、もう。


なにもアイドルの頭をゲンコツで殴んなくてもよくない?