「キャー!!蒼くんだー!!」


「ウソ!?なんでここに!?ヤバイヤバイ!!」


「恋くん、こっち見てーっ!!」





お花見の公園に着いた途端、群がって来た女達。




…どうしよう。


ものすごく面倒くさい。





「恋、恋…どうする?追い払う?」


「でもファンに冷たくするとマネージャーとか兄貴がうるさいし」




あー、たしかに。



『大事なファンになんつー態度取ってんだコラァ』



なんていう声が聞こえてきそうだ。




「じゃあどうする?優しくどいてって言っても絶対聞いてくんないよ」



「んー…じゃあ」




そう言って、何か思いついたのであろう恋が、俺に耳打ちをする。



…へぇ。




「さすが恋。それでいくかー」





そして俺と恋は、女達に向かって営業スマイルを向ける。