俺、兄貴になりました④

side 慎



バレンタイン。


それは俺にとって、チョコを貰える日。


それ以外、何もない日だ。



去年までは。






「勝負だ!!」




朝からそう言って騒いでいる慶にぃ。



バレンタインに勝負なんてあるの?



なんて思いながらハムエッグのハムを頬張る。


ハムエッグって、ハムとエッグを一緒に食べていくんだろうけど、なんかいつも食べてる途中でバラバラになっちゃうんだよね。


俺だけかな?



「慎、食べたなら早く歯磨きして来い」


「あーい」



食器を片付けて洗面所へ行くと、そこには尚にぃがいた。



「慎、紙袋持ってけよー?」


「なんで?」


「なんでって、毎年チョコ山ほど貰ってるだろ。持って帰れなくなるじゃん」


「あー」




そういえば、そうだったかな。


俺の場合、「お兄さんの尚さんに渡して!」なんていう女子の押し付けのチョコが、貰ってるうちの3分の1を占めるからなぁ。



自分で渡せばいいのに。

超迷惑だよ。