銀色の月は太陽の隣で笑う


それは真夜中を少し過ぎたあたり、ベッドの上でもぞもぞと体を動かしたトーマは、薄らと目を開ける。

気がつけば雨の音は止んでいて、窓からは久しぶりの月明かりが差し込んでいた。


「雨、止んだのか……」


ポツリと呟いて体を起こせば、月明かりに照らされた部屋の中、一際輝くものが目に付いた。

それは自分が寝ているベッドの縁、月光を受けて煌くのは、見覚えのある白銀。


「……っ!え、なんで!?なんでここに」


ひどく驚きはしても咄嗟に理性が働いて、声は囁き程度に抑えられる。

床にぺったりと座り込んだ状態で、ベッドの縁に頭を預けて目を閉じるルウンからは、未だ安らかな寝息が聞こえていた。


「えっと……なにがどうしたんだっけ?」


もう一度ポツリと呟いて、トーマは眠る前の自分の行動を思い起こす。


「ルンとお茶して、そのあと二階に上がって、メモを取って、それで…………それで、どうしてこうなった」


確かにルウンとは二階に上がる前に別れたはずで、そのあとは顔を合わせていない――はず。