銀色の月は太陽の隣で笑う


旅人とは、風のようなものだと例えた人がいた。

それはひとところに留まることなく、流れていくものなのだと。

風を捕まえることはできないように、旅人を留めおくこともまた、難しいことだと。

雨季の期間は約一ヶ月。それを過ぎれば、太陽が湿った大地を乾かすように照りつける、暑い季節がやって来る。

雨季を過ぎれば天気は安定し、断然晴れた日が多くなるので、旅をする者達にとっては絶好の日和となる。

そうなった時、自分はまたこの場所で一人ぼっちになるのかと、ふとルウンは考えてしまった。

楽しい時間が続けば、その終わりが怖くなる。

一人になった瞬間に、今はまだ目を逸らしていたい現実が襲いかかるのだ。

二人分の食器を洗い、雨の中レインコートを着込んで畑と鶏小屋を見に行き、家に戻って僅かに濡れた顔や前髪をタオルで拭きながら、ルウンは考える。

このまま雨が、止まなければいい――そんな風に思ったのは、これが初めてのことだった。

ぼんやりと窓の向こうを見つめていると、不意に二階からカタンと微かに音が響く。

ルウンは視線を動かして、屋根裏へと続く階段をしばらく見つめた。