銀色の月は太陽の隣で笑う


味見はしたので、そこそこのものであることは間違いないのだが、どこか期待に満ちたルウンの瞳を前に自信がなくなっていく。

お盆から自分の分の器とスプーンを取って丸椅子に腰を下ろしたトーマは、ゆっくりとスープをかき混ぜているルウンの様子を窺う。

掬い取ったスープにふーっと息を吹きかけて口に運ぶ。その一連の動作を、ドキドキしながら見守った。


「……どう?食べられそうかな」


飲み込んだところを見計らって問いかけると、ルウンはコクっと頷いた。それから、視線をトーマに合わせ、はにかむように笑ってみせる。


「凄く、美味しい」


その瞬間トーマの心臓が、大きく音を立てて脈打った。


「あっ、えっと……よかった。うん、……凄く、よかった」


視線を逸らし、ドキまぎしながら返事するトーマに、ルウンは不思議そうに首を傾げる。

自分でも自覚のあるおかしな態度を誤魔化すように、トーマはぐるぐるとスープをかき回してから、勢いよく器を空にした。

あまりの勢いに、見ていたルウンが驚きに目を見開く。

スープが喉を通っていく瞬間、あまりの熱さにトーマも目を見開いたが、今更どうしようもないので気合で飲み下す。