銀色の月は太陽の隣で笑う



「えっと、鍋、鍋は……っと、あった」


ルウンからのオーダーであるスープを作るため、トーマはまず見つけ出した大きめの鍋に水と野菜をどっさり入れて火にかける。


「あの女将さんのスープ、味は確かなんだけど作り方が豪快なんだよな」


以前お世話になった宿屋の女将から教えて貰ったスープは、まずはたっぷりの野菜を豪快に水と一緒に火にかけることから始まる。

そうやって取った野菜の出汁から、様々なスープに派生させていくのが女将のやり方だった。

子供なら余裕で入れるくらいの大きな寸胴鍋に、手当たり次第に野菜をぶち込んでいく様は、未だもって忘れられない。そのあと、沸くまでの長い長い時間、鍋の番をさせられたことも。


「おっ、きたきた」


けれど今回は、それほど大きな鍋でもないので、ぼんやりと昔を思い出している間にふつふつと沸き始める。


「あっつ!あつっ!」


鍋の中から苦労してタマネギとジャガイモを取り出すと、できるだけ小さめに切っていく。

教えてくれた女将はこれまた豪快に、適当にぶつ切りにした野菜を具としていたが、今回はルウンの食欲のなさも考慮して小さめに。