銀色の月は太陽の隣で笑う



「タオル、借りるよ。冷たくして持ってくる」


それでも、思い出したようにそう告げると、何度も心配そうにベッドを振り返りながら部屋を出て行った。

足音が遠ざかっていくのを聞きながら、ルウンはそっと目を閉じる。

体が、とても熱かった。

心臓がいつもよりだいぶ早いリズムで脈打っていて、その振動すら頭に響いて辛い。

浅い呼吸を繰り返しながら、ルウンはただ目を閉じて、トーマが戻ってくるのを待った。

やがて、早歩きな足音が近づいてくる。

そっと目を開けると、ボウルとタオルを手に、部屋に入ってくるトーマの姿が見えた。

トーマは、枕元の棚に持ってきたボウルを置くと、氷水が入ったそこにタオルを浸して絞り、ごめんねとルウンの前髪をかき分けて、薄らと汗の浮かぶ額にそっとタオルを載せた。


「どう?少しは楽になったかな」


ルウンが小さく頷いてみせると、トーマは安心したように笑みを浮かべる。


「それじゃあ僕は行くから。何かあったらすぐに呼んでね」


その言葉に、ルウンが僅かに目を見開く。


「……どこ、行くの」

「……え?」


予想外の質問に、今度はトーマが驚いた。


「トウマ……さっき、隣いるって言った」

「うん。だから、…………え?」