銀色の月は太陽の隣で笑う


できるだけそうっとルウンの体をベッドに横たえると、それまで虚ろげに開いたり苦しげに閉じたりを繰り返していた瞳が、しっかりとトーマを捉えた。


「ん?」


何かを訴えかけるように、ルウンの唇が動く。

その動きを注意深く見つめ、微かに聞こえてくる音を拾ったトーマは、笑顔で頷いた。


「お水だね。すぐに持ってくる」


言葉通り一旦寝室を出てすぐに戻ってきたトーマは、ゆっくりと起き上がったルウンに、持ってきたコップを手渡す。

片手では心許ないので両手でコップを受け取って、ルウンはそっと口をつけた。

冷たい水が体内に流れてくるのが、火照った体に心地いい。


「何か食べられそう?」


水を飲んで一息ついたルウンは、考えるまでもなくゆるりと首を横に振った。


「そっか。それじゃあ、何かして欲しいことはある?欲しいものでもいいよ」


これにもゆっくりと首を横に振って答えると、トーマはルウンの手から空になったコップを受け取って、横になるよう促した。


「今日はずっと隣にいるよ。だから、何かあったらすぐに呼んで。それから、むやみに起き上がらないこと。安静にしていないとダメだよ」


コクりと小さく頷いたルウンを、トーマはどこか不安そうに見つめる。