銀色の月は太陽の隣で笑う



「昨日は元気そうだったから油断した……」


久しぶりにお日様が顔を出していると、大喜びで洗濯物を外に干していたルウンの姿を思い出していると、ふと何かが視界の隅を横切っていく。

驚いて視線を向けると


「待ってルン、どこに行くの」


ボタンをきっちり上まで留め終えて掛け違いも直したルウンが、当たり前のような顔でキッチンに向かっていた。


「朝ご飯」


足を止めたルウンは顔だけで振り返えると、すぐさま進行方向に直ってまた歩き出す。


「ごめん、ちょっと待って。ルンは今、朝ご飯を作っている場合じゃないから」


“ごめん”と断りながら腕を掴み、トーマはルウンを引き止める。服の上からでも分かるくらいに、その腕は熱い。

それでも頑なにキッチンに向かおうと足を踏み出したルウンだったが、そのままふらりと体が前に傾いた。


「ルンっ!!」


トーマは、咄嗟に掴んでいた腕を自分の方に引く。

前に倒れ込みそうになったルウンの体が、今度は後ろに傾いて、トーマの胸に背中を預ける形で落ち着いた。