それならば温かいお茶を用意して、二人一緒に体を中から温めた方がずっといい。

そう思って優先したお茶の準備だったが、その間にすっかり自分の体が冷えてしまったのは予想外だった。

着替えをしながら頭の中にキッチンの映像を思い浮かべ、作業台の上に作りつけられた棚に並ぶ瓶の記憶をなぞっていく。

体が温まるものと言ったら、あそこには何があっただろう――。

時間をかければどんなものでも作れるが、今はできるだけかける時間は短く済ませたかった。

自分の体がこれだけ冷えているということは、当然トーマも同じであるはずだから。

こみ上げたくしゃみをくしゅんと零してから、条件反射でぐすっと鼻を啜ったルウンは、濡れた服とタオルを手に寝室を出る。

全部まとめて洗濯カゴに放り込んだら、雨のせいで回転率が落ちていることもあり、今にもカゴから溢れそうになってしまった。

下着類は寝室に、それ以外のトーマに見られても構わないものは、紐を渡してまるでカーテンのように部屋中に干しているのだが、乾かないものは取り込めないので、新しい干場もない。