少しだけ。


「アルバム、見ませんか?」


思っていたとはいえ、

あの日以来一度も開けたことのないアルバム。


開けてしまったら

渚くんを受け入れなきゃいけないような

気がして。


もしかしたら、

忘れてしまうんじゃないか

っていうのが怖くて。


けど、明さんがいるなら、

大丈夫な気がする。


「いいね。

母さん、

真ちゃんがアルバム持ってきたんだけど

見る?」


「ごめんね、

母さん今から町内会議があるから

行ってくるね。

真ちゃんゆっくりしていって」


「は、はい!」