一週間後、最寄り駅に停まる一台の車。
「明さん、ありがとうございます」
「どういたしまして」
高校が一緒だったとはいえ、
最寄り駅は結構離れていた。
放課後遊ぶ時は日が暮れる前に家に向かっていた。
休日も、
実際会ってるのは2.3時間。そう考えると、
一緒に過ごした時間が少なすぎたと感じる。
「真ちゃん、その荷物どうしたの?」
「あ、これ、アルバムなんです。
渚くんとの思い出」
少ない時間だったからこそ、
形に残るものが欲しかった。
スマホで撮った写真は、
連写であっても全て現像した。
「じゃあ、宝物だね」
「はい」
「渚も喜ぶよ」
だといいけどな。



