「シンさん、早くー」 「はい。すみません!」 メイさんは今、何を考えてるんだろうか。 ミラー越しに見える表情からは 何もわからなかった。 「明(あきら)さん。ありがとうございました」 サクラさんのことも、渚くんのことも。 メイさんは車から手を振るだけで、 何も言わなかった。 「ありがとう…ございました」 「ん?シンさんどうかした?」 「なんでもないですよ」 駅の周辺は明るすぎて、一つも星が輝いていなかった。