「由紀恵ちゃんは転校してから前の学校の同級生とは１度も会っていないの。

たぶん、ホームページに書いてあった電話番号を見てかけてきたと思うんだけど…」

「そんな昔から電話があったんですか？」

小夜子は聞き返した。

「由紀恵ちゃんは浜島のことを絶対に許せないって言ってる。

顔も見たくなければ声も聞きたくない、彼女からいじめの謝罪も受けたくないって言ってるわ」

そう言った幸代に、
「それで、浜島さんから電話があったら社長は留守だと言えって言ったんですね」

小夜子は納得したと言うように首を縦に振ってうなずいた。

「由紀恵ちゃんは浜島のことを憎んでる、例え何があっても許さないって言ってるわ。

だから、わかったかしら？

光浦さんも浜島から電話があって由紀恵ちゃんのことを聞かれたら、社長は留守だってはっきりと言ってね」

念を押すように言うと言うことは、幸代も浜島のことを許さないのだろう。

「はい、わかりました」

そう思いながら、小夜子は返事をした。