彼女とすっかり打ち解けたことに、小夜子はホッとしていた。

「大丈夫ですよ」

カクテルを飲んですっかり酔い潰れてしまった安里の手を肩にかけて支えながら、小夜子は返事をした。

「よかったらだけど、途中まで送ってあげようか?」

そう聞いてきた美紀に、
「大丈夫だよ、わたしがタクシーで安里ちゃんを送ってあげますから」

小夜子は笑いながら答えた。

美紀は不安そうな顔をしながら、
「何かあったら連絡してね」
と、言った。

「うん、わかったー」

小夜子はそう言って、安里をタクシーに乗せた。

その後で小夜子も乗り込むと、運転手に行き先を告げた。

まだ不安そうな顔をしている美紀に小夜子が手を振りかけると、彼女は手を振り返してくれた。

ブロロ…とエンジン音を立てて、小夜子と安里を乗せたタクシーが出発した。