腕時計に視線を向けると、夜の11時を過ぎていた。

「ふーっ…」

自宅に帰ると、由紀恵はすぐにリビングの電気をつけた。

固定電話に視線を向けると、画面がチカチカと点滅していることに気づいた。

そこに歩み寄ると、留守電が2件入っていた。

「誰からかしら?」

由紀恵は呟くと、再生ボタンを押した。

留守電を聞いている間に渇いた喉を潤すため、冷蔵庫からペットボトルのミネラルウォーターを取り出した。

ピーッと言う機械音が流れたかと思ったら、
「米村です」

再生されたその声に、ペットボトルを落としそうになった。

「中学時代のことは本当に申し訳ないことをしたと思っています。

そのことを謝りたいので、私と会ってください。

お願いします」

留守電はそこで終わった。