その時、
「春田さーん」

幸代がその場に入ってきた。

「はい」

マキヨは顔をあげると、幸代に視線を向けた。

「白川さんがお見えなんですけれども、今日は彼女と会う約束をしていましたか?」

そう言った幸代に、
「ほら、きたじゃないですか!」

小夜子が言った。

「あちゃー」
と、澄香は手を額に当てた。

「いや、そうとは限らないと思うよ」

成美が擁護をするように言った。

「えっ、今日は約束なんてしてないんすけど…」

マキヨは首を傾げると、オフィスを後にした。

「私たちも行ってみましょう」

そう言った成美に、小夜子と澄香は一緒にマキヨの後を追った。

「あら、何なのかしら?」

幸代は訳がわからないと言った様子で首を傾げた。