翌日、仕事が終わった愛香は『ハッピーライフ』を訪れていた。

「どうぞ、こちらでお待ちください」

幸代の案内で会議室のようなところに通された。

椅子に腰を下ろして待っていたら、コンコンとドアをたたく音が聞こえた。

「あ、はい」

愛香がドアに向かって声をかけると、
「失礼します」

開いたドアから入ってきたのは、由紀恵だった。

(うわっ、キレイな人…)

愛香は由紀恵の美しさに見とれてしまったのと同時に緊張した。

由紀恵が向かい側の椅子に座った。

「こんにちは、『ハッピーライフ』の社長の美作と申します」

「あ、はい、初めまして…」

愛香はペコリと小さく頭を下げた。

「白川さんは新規でのご利用と言うことでしたね?」

由紀恵がそう聞いてきたので、
「はい、そうです」

愛香は首を縦に振ってうなずいた。