「ねぇお兄さま。
 どうしてここ数日いらしてくださらなかったの?
 よその女にうつつをぬかしてはいません?」

「ハハハ。心配無用。お前も俺が政(マツリゴト)で忙しいことはわかっているだろう」

「本当かしら?」

「当たり前だ」

皇子はまたキスをする。

今度は長いし、ちょっと目のやり場に困るレベル。

このまま始まっちゃいそうなんだけど……。
どうしよう!


うたさんに視線を向けると、
「美姫さま、お部屋をご用意しております故、今宵はそちらでお休み下さいませ」
と助け舟を出してくれた。

よかった~。他人のそういうことなんて見たくないし。


「なんなら、見学していってもいいんだぞ」

はぁ!?

ぎょっとして皇子を見ると、ニヤついてる。