「遅いわよ~」

視聴覚室の後ろのドアを開けると、
すでに古文の前島まえじまセンセーは来ていて、前のほうから声が飛んできた。

「すみませ~ん」
「遅れてすみません」

私たちはたいして悪びれる様子もなく謝りながら、後ろの空いてる席に座る。