キーンコーンカーンコーン……。
始業のチャイムが鳴り始めた。
「あ、ヤバ。美姫、急ごっ。荷物ありがと。じゃね」
「うん」
しほりは私が持っていた彼女の荷物をさらうようにして受け取ると、孝くんたちに雑に手を振って駆け出す。
私も孝くんたちに軽く頭を下げながら、しほりの後を追うようにして走る。
「じゃね~」
「がんばってね~」
孝くんや大友くんの声が後ろから追ってくる。
でも、智の声だけは聞こえない。
だけど、誰よりも智の視線を熱く感じるような気がするのは気のせい……?
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