「明日、しほりちゃんと大友一緒にまわるってね?」
沈黙した空気に耐えきれなくなったのか、
孝くんは今の私にとってはとりとめのない話題をふってきた。
「え、そうなの?知らなかった。
大友くん、やっぱりしほりのこと好きだったんだぁ」
いつも夫婦漫才みたいだって私たちの間で冗談っぽく話題にしてたし、
しほり自身は大友くんに恋愛感情はなかったから、
おそらくは彼のほうから想いを告げたんだろう。
「うん。いっつも冗談言ってるから、信じてもらえてなかったみたいだけどね」
「ハハハ、大友くんらしいね」
やっぱり、そうだったんだ。
でも、ふたりは合う気がするし、
私自身は付き合っちゃえばいいのになって思ってたから、
このまま付き合うようになるのなら嬉しい。
再び、空気がピンと張りつめる。
明日の自由時間のこと、まだ返事してない。
そんなことを今更ながら思い出す。
多分、その返事をきくためにも、孝くんはここに来たのかもしれない。

