「大丈夫?」

「う~ん、どうかな?」

気分の悪さはだいぶよくなったけれど、とにかく体がだるい。
そして、頭の奥がズキズキする。

さっきの夢のことといい、智のことといい。
アタマだけじゃなく、きっとココロもズキズキトゲトゲしてる。


「そっか……」

そう言いながら、孝くんは私のほうに頭を傾けてくる。

なにもかもわずらわしくて、私も孝くんに傾けた。
頭だけじゃなく、体全体も。


「明日、体調よくなるといいね」

そう言うと、
孝くんはぶらんとさせていた私の左手をそっと遠慮がちに繋いでくる。

それに対して、私はされるがまま。

それどころか。
自分の体温が高いせいか、適度にひんやりとしてる孝くんの手が心地良くて握り返した。

それに応えるかのように孝くんは指と指を絡ませ、
いわゆる恋人つなぎをしてきたけれど、私はされるがまま。

もう考えることすらわずらわしい。


「熱もあるみたいだね。美姫ちゃんの手、すごい熱い」

「うん……」


私たちは少しの間口をつぐんだ。