―――――――――――――
――――――――
――――――
…………
……


「……き、美姫!?」

「はっ!!」

揺さぶられたことに気づいて、目を覚ました。


「ハァ、ハァ、ハァ」

びっしょりと汗をかいてる。
首筋を両手で拭うとじっとりとしたイヤな汗がくっついてきた。


「どした?うなされてたよ?」

あぁ、しほりか。

「はぁ~……」

右のイヤフォンを取って、怪訝そうに私を見つめてるしほりを見て深く息を吐いた。


「こわい夢でも見た?」

「……うん、なんかすっごいヘンな夢」

心臓がドクドクと激しく動いてる。

汗のせいでスカートが脚にまとわりついてくるから、思わずパタパタと仰ぐ。


「てか、私、なんかヘンなこと言ったりしてなかった?」

「どうだろ?私、ほらイヤフォンしてたから」

そう言いながら、耳元のイヤフォンをプラプラさせる。

「そっか」

”智”って叫んでた気がする。
実際にも言ってなきゃいいけど……。