「さ、美姫。お帰りなさい。 姫もさぞやあなたがいなくなり心配しているやもしれませんよ」 今までとは表情を一変させ、とても同じ人とは思えない。 ニッコリとまるで聖母マリアのように慈しみ深い笑みを浮かべている。 まるで阿修羅みたい。 あまりの衝撃に体が動けずにいると阿修羅はまた表情が険しくなった。 「さ、行くのです。 そして、帰ったら姫に言うのです、“帝の妻になる”と」 「さ、美姫さま」 後ろにいた男が彼女の機嫌を察して私の体を引き上げるようにして立たせた。