一週間が経った。
皇子は忙しいのか、あの日から姿を見せてない。
姫に明らかな不安の色が濃くなった。
常にイライラしててうたさんや他の人にきつくあたったり、
突然泣き出したりするようになった。
私も多分情緒不安定。
幸い智は毎日逢いにきてくれる。
でも、あの夜みたいに智を不安にさせることが増えた。
智とせっかく過ごす貴重な時間なのに。
智とこの世界で生きるって決めたのに。
私のローソクの灯火は大きく揺れていて今にも消えそうだ。
私と智は夫婦として生きていいの?
子供をもうけていいの?
私と智は兄妹。
この時代だって罪にとわれるのに、
姫と皇子だって断罪されようとしてるのに、
私たちだけ幸せになっていいの?
覚悟が揺らいでる。
誰かがふぅっと吹いたら消え入りそうなくらい。
ねぇ智。
私たちはこのままで本当にいいのかな。
好きだけで自分たちの気持ちだけを優先していいのかな。
結局私はどの世界で生きたって智とのことを悩むんだ……。

