「着いたぞ。」 「ママぁ?」 「悪りぃ。起こしちまったか?」 空の声を聞いて、運転席から顔を出す秀。 「気にしないで。夜、寝れなくなったら厄介だから。」 「そうか。明美。起きろ。着いたぞ。」 助手席でまだ寝息を立てている明美を起こして、あたし達は店の中へと入る。 チャリーン 「いらっしゃい。」 「文ちゃん。ご無沙汰。」 何も変わらないお店も文ちゃんもあたしの気持ちを穏やかにしてくれる。 パタパタパタパタ あたしの横を擦り抜けるように、走りだした空。 「空!危ないから走らないの。」