もう好きじゃない

次の日の朝
翔夜が誕プレを渡しに来た

「ほんと昨日はごめんな。目覚まし壊れてさ」
「気をつけてよねー次はないよ!」
なんて他愛もない話をした後、翔夜は用事があると帰った

ふと足元を見ると翔夜の家の鍵が落ちていた

家の鍵を落とすなんてバカだなーと思い
すぐ追いかけた

翔夜の家の近くまできた時背後から話しかけられた

振り向くと利奈ちゃんがいた

「葉月ちゃんだよね?」
「え、あ、うん」
「翔夜がお世話になってます」
まるで自分のもののように言って笑った利奈ちゃん

「翔夜になにか用?」
「私の家に鍵を置いて帰ったから届けに…」
「あ、誕プレを渡しに行ったのね」

翔夜が言ったのかな
そんな私を見透かすように
「なんで知ってるかって?それはね…

私も昨日誕生日だったの」

頭を鈍器で殴られたようだった
もしかして利奈ちゃんが翔夜を呼んだのではなく翔夜から行った なんて考えが浮かんだ

目を見開いた私に続けて
「もらった誕プレ開けた?」
「え、まだだよ」
「開けてみて?」

なんでだろ
とりあえず開けてみよう

開けると蝶々のネックレスがあった

「かわいい…」
「だよね!それ私が選んだんだ!」
「え?」
「昨日、翔夜と歩いてたの知ってるよね」
「うん…」
「翔夜がまだ葉月ちゃんへの誕プレ買ってないって言うから付き合ってあげたんだ」
「…」
「言いたいこと分かるよね?」
「…」
「翔夜は私といた方がいいから別れてよ」

いつか言われると思っていた

いざ言われると辛いね

でもそっかやっぱり利奈ちゃんの方がいいよね