ーチリリリリー



香「姉ちゃん~!!」



美「起きてるよ~」



なぜか今日は寝覚めがいい。



美「おはよ」



香「おはよ…」



「…なに?」



部屋の外にでて挨拶したそうそうにじっと見られる。



香「その変装だったら姉ちゃんが舞月だなんて思わねぇよな」



美「でしょー」



香「うん。…なあ姉ちゃん!」



美「んー?」


私は階段を降りながら声だけ返事をする。



香「姉ちゃんはさ…スパイとかじゃねえよな…」


それを聞いてうっかり階段を踏み外しそうになった。


香「あ。いや…答えなくていい!!」


美「答えなくていいの?」



香「俺が身内だからってそれってフェアじゃないって思って…」



香月はいいやつだ。



美「私は香月だけは裏切らない」




香「ーっ」



美「言ったでしょ?…約束だって…。」



香「姉ちゃん…」



絶対香月だけは守る。たとえ、全てを敵に回してでも、弟だけは。