「わかりました、じゃあ作りますね」

でも久し振りに見れた笑顔に私まで嬉しくなってしまうよ。

会計を済ませエコバッグに食材を詰め込むと、南さんがすべて持ってくれた。

「重くないですか? ひとつくらい持ちます」

「ううん大丈夫。荷物より僕の手を持ってほしいんだけど」


そう言いながら彼は自分の手を差し出してきたものだから、思わず笑ってしまった。

荷物は南さんに持ってもらい、手を繋いで自宅へと向かっていく。


「なんかいいね、こういうの。新婚さんみたい」

「えっ!?」

新婚さんワードに過剰に反応してしまうと、南さんがクスクスと笑い出す。


「それに僕、大勢で鍋って初めてだから楽しみで。……今夜はそのままミャーと一晩中、離れないつもりだからね」