「ほら、こっち向いて。
ちゃんと俺の方見なきゃダメだろ?」
耳元で甘く低い声で私の耳を刺激する彼。
鼓動が速くなっていくのを感じながら、それでも見るもんか!っと顔を横に背けたままでいたら、
今度は両手を掴まれて私のポケットの中に入っていた佐藤くんに貸してもらったハンカチを取り出した。
「これで、縛ってほしい?」
そう言いながら、ハンカチを私の前でヒラヒラとさせている。
「や、だ…っ」
「じゃあ、俺の方見て」
腕を縛られるなんて嫌だったから仕方なく、彼の方に顔を向ける。
すると、満足そうに微笑み、すぐに意地悪な顔つきに変わる。
でも、その顔にはどこか甘さがあって私は頭がクラクラしてきた。



