音楽室の空気が静かで、ものすごく気まずい感じになる

私が話し合いをしなければ、こんな雰囲気にはならなかった

……けれど、話し合いをしなければ、いい演奏もできない

「みんな」

静かにそう私が言うと、後輩のみんながビクッとしたのが分かった

「ごめんね、私…確かにちゃんとみんなの気持ち考えてあげていられなかったかもしれない」

みんなが俯いてしゅんとしているのが分かる

「でもね?努力してもどうにもならないなんて、間違ってると思う。確かにどうにもならないことはあるよ?だけど、それで人に当たったらいけない。出来ないことはどうしたら出来るのか、考えるべきだよ」


そこまで話した時、ひとりの後輩が口を開いた

「しずく先輩は、最初からすごかったんですか?」

「ふふ、ううん?私がフルート始めたのはずっと前だけど…高校ってなると全然ちがくて、怒られてばっかりだった」

そう、入りたての頃、どうしても上手くできないところがあって、先輩にたくさんたくさん怒られた

その頃を思い出して、口が緩む

「私たちが、間違ってました……」

と、文句を言っていた一人の子が謝ると、みんなが立って頭を下げた


「また、頑張ろうよ一緒に!」

そして、私はみんなに練習をしていてと言って、優梨華ちゃんを探しに行った