好きだよ、大好きだよ……本当は

今は泣いたらダメだ

｢私は……話すことないよ｣

｢じゃあ、俺の話だけ聞いて｣

弱い私は逃げることも出来ず、結局そのまま聞くことになった

｢あの時海夏に再開して、気持ちが戻ったのは本当だ……けど、俺が好きなのは、しずくだから。入学して海夏のことを忘れるほどこんなに愛したのは、しずくが初めてなんだ。……ずっと、しずくに振り向いてもらえるまで頑張るから。……｣


新村くんは、私の腕を離して踵を返した

人混みを分けて去ろうとしている新村くん……

本当にそれでいいの？

私は…それでいいの？



｢大好き……だよ…｣


気がつけば片方の目から涙がこぼれていた