優生先輩は私の隣へ来て、傘を出した
濡れてしまうと思って、横を見ると……
「2つあるから」
そう言った
「で、どうして泣いてるの?」
「……あ」
泣いていたことを完全に忘れていた私
「柊羽と何かあったか?」
違うと、首を横にブンブン振った
「付き合った?」
「…は、い」
少しためらいがちに返事をすると、気を遣うなよと笑ってくれた
「何でも相談してよ。先輩としてさ」
それから、躊躇いながらも嫌がらせのことを話した
全て。
話終えると、優生先輩は怒っているようだった
「っんで、何でしずくがそんな思いしなきゃっ……!」
「仕方ないです…」
「何で?何が仕方ないの?だって、おかしいだろ。」
どうしてですか?そこまで怒ってくれるのは
優生先輩…そんな優生先輩に沢山助けられました
すると、優生先輩は立ち上がって私の腕を持った
「先輩……?」
「教室。行こう」
抵抗する余裕もなく、そのまま教室へ連れていかれた
_______ガラッ!
クラスの皆は、入ってきたのが優生先輩ということでびっくりしたらしい
「きゃあぁぁ!」
女子からの黄色い歓声……さすがです、優生先輩
しかし、優生先輩が私の手を掴んでいることに気がついた人は
「何アレ。柊羽がいるのに優生先輩とか神経大丈夫?」
「たらしじゃね?」
……っ
後退りしてしまいそうになった私に、大丈夫と言って中へ入る