「ごめん…俺やっぱおかしい」

新村くん

「新村くんは、私のヒーローです」

新村くんが、目を見開いて私を見る

「バスケをしててとてもカッコよくて、皆の人気者で雲の上の存在で、笑顔が素敵で、キラキラしていて…いつも助けてくれて…」

そこまで言ってとあることを思い出した

「これ!昨日買ったの!」

昨日買った誕生日プレゼント

「お誕生日おめでとう!」

新村くんは、まだ目を見開いている

私は恥ずかしいけれど、目を逸らさずに目を見る

じゃないと伝わるものも伝わらないような気がして

「何で…俺言ったっけ?」

たぶん、私が誕生日を知っていたことにびっくりしたのが多いと思う

私は首を横に振って、

「紅ちゃんが教えてくれたの…だから、どうしても渡したくて…あ!迷惑なら捨ててくれて構わないからっ」

「……ごめ、ありがとう…全然迷惑じゃないし、むしろ…」

そこまで言って、私と逆方向を向いた

えっとー……これはどういう

「新村くん?」

新村くんがどんな顔しているのか気になって、反対側へ行こうと立ち上がる……けれど

「いっ!……」

下駄で靴ズレしていたんでした……

私は、思わず声を上げてしゃがんでしまった

それにびっくりした新村くんは、慌ててこっちを見て、私を支えようと、肩と腕を優しく、けれど力強く掴んでベンチに戻してくれた

「大丈夫?」

「うん、ごめんね…」

謝る私に、苦笑いして頭に手を乗せた