5分くらい歩いて、着いたのは人の少ないベンチ

「あ、ありがとう」

「よしっ、」

何を話そうと考え込んでいると、新村くんが口を開いた

「守れた?俺」

「ずっと守ってもらってる」

多分、あの時のことをまだ気にしているんだと思う

「そういえば、紅ちゃんたちは?」

ふと、残りの2人がいないことに気がついて聞いた言葉だった

けれど、なぜか新村くんが不機嫌な顔になってしまいました

「そんなに気になる?」

「え?う、うん?」

「そんなに、翔亮が好き?」

……えっとー…翔亮…飯倉くん…が、好き…って、ええ?!

「まって?!私が?!」

「そんなに好きなの?翔亮のこと」

待ってください?私が好きなのは新村くん、あなたですよ!?

「違うよっ」

「嘘つかなくていいよ。知ってる。」

「本当です!」

「だって翔亮と話してるの楽しそうだし、あいついいやつだし」

新村くん、私の言葉届いているかな?

「信じて…」

何を言えばいいか私もわからなくて、蚊の鳴くような声でそう言った

いや、〝言った〟というより、〝言っていた〟の方が正しいかもしれない

信じて欲しくて、誤解して欲しくなくて