少しして、耳元で声が聞こえた

「余裕なんてないよ」

「……あの」

ドキッとして、心臓がうるさいです

そこでようやく離してもらった…けれどその離れたことに何故か寂しさを感じてしまう

「新村くん…」

「なんでっ…何でこんなに声かけられちゃうかなぁ…」

はあっ、とため息を漏らす

胸がズキッと痛む

「ごめんなさい…」

「足…」

え?

怒っているものだと、飽きられているものだと思っていたから、突然のその言葉に頭が混乱

「靴ズレ、してるんでしょ?」

「ど、どうして……」

知っているの?そう聞く前に、私の前にしゃがんだ

「乗って」

え、ええええ?!!!いやいやいや!そんな滅相もない!

「ダメです!」

「はぁ……」

と、またもやため息…うぅっ……すみません……

しゅんと落ち込むと、身体が宙に浮いた

「!?????!!!??!?」

「乗らないなら、これで行くしかないよね?」

ニコッと私の顔を見て微笑む新村くん…何だか、その笑顔怖いです…