「蘇我氏が滅ぼされたのは、645年──」



親睦会で色々準備がある中、勿論中間テストというものがあるわけで……。覚えることが多い日本史を詰め込んでいる。
朝からずっと詰め込んでいるから頭が痛くなってきた。



「パンクしそう…」



覚えた事を忘れないように紙に重要な単語を並べて書いていく。


「梢っ」


バーンと勢いよく開いた扉と共に大きい声が響く。



「何?入る時ぐらいノックして」
「めんどくさいやん」


…めんどくさいって。
家でこうってことは、外でもこういう風に過ごしているのかと思ったらウンザリする。



「お兄ちゃんの開け方怖いんよ」


勢いよく開けるから風圧凄いし。
でも、私の兄はそんなのお構い無しなんだろうな。




「気をつける。あ、今からお兄ちゃんとデートせん?」
「は?頭大丈夫か?」



お兄ちゃん、ほんまに突拍子もないことするから嫌い。



「大丈夫です。来てくれたら梢の好きなケーキ買ってあげるから」



ケーキという言葉にピクリと右眉を動かす。
お兄ちゃん、モノで釣るとかズルイ。


「行きます」